2024/10/03
空き家の解体費用の相場ってどれくらい?
空き家を解体しようとすると、100万円前後の解体工事費用が必要になってきます。「家が残っているほうが固定資産税が安いから」とそのままにしているケースも多いでしょう。 しかし、あまりに長い年数を空き家のまま放置してしまうと、特定空き家へ指定されたり、ご近所トラブルを引き起こしたりするリスクがあります。 そこでこの記事では、空き家を抱えてお悩みの方へ、空き家を解体するのにかかる費用相場と、空き家を解体するメリット・デメリットを解説します。
解体費用の相場 坪単価
木造 2.5〜4万円
鉄骨造 2.5〜4.5万円
鉄筋コンクリート造 4〜5万円
一般的な木造一戸建て(30坪程度)の場合、解体費用は75〜120万ほどが目安です。 解体費用に幅がある理由は「前面道路幅」「隣家との距離」「築年数」などで使える重機や作業内容に差があるためです。 たとえば隣家と距離が近かったり、老朽化が進んで倒壊の危険が高かったりする場合は、慎重な作業が求められます。そのため費用も高くなりやすいです。 また、下記のような建物についても追加で工事費用がかかります。
・浄化槽や井戸など地中埋設物がある
・アスベスト含有建材が使用されている
空き家を解体するメリットとは?
誰も住まなくなった家は、湿気で老朽化が進みやすくなります。 居住の予定がなくても、空き家の定期的な風通しやメンテナンスは必須です。 これが面倒で解体を考える人もいます。 空き家を解体すれば手間がなくなるうえに、以下のようなメリットがあります。
①土地が売りやすくなる
土地の売却を考えた場合、更地のほうが売れやすくなります。 最近ではリノベーション目的で中古住宅を購入するケースもありますが、それは資産価値の高い建物の場合です。 「古屋付き土地」になると、やはり買い手がつかなかったり、解体費用分を値引きさせられたりするものです。 また相続で空き家を受け継いだ場合、一定の条件を満たした上で相続の開始があった日から3年が経過した年の12月31日までに売却すれば、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できます。 空き家に資産価値がないのなら、土地の早期売却を目指して解体の検討をおすすめします。
②近隣トラブルに発展する心配がなくなる
空き家を解体してしまえば、無用な近隣トラブルに巻き込まれる心配もなくなります。 空き家には以下のようなリスクがあります。
・湿気がこもってカビやダニが発生する
・封水(排水管の排水トラップの水)が蒸発して害虫や害獣に遭う
・倒壊して隣家を損傷する
・放火やゴミの不法投棄などの犯罪に使われる
近隣に住んでいる人からすれば、そのような空き家は衛生面でも治安面でも迷惑以外にありません。 万が一、近隣の家屋に損害を与えるようなことになれば、解体費用よりも大きな損害賠償を求められる可能性があります。 空き家から遠方にいるなどの事情があり、最低限のメンテナンスができないのであれば、老朽化がひどくなる前に解体の検討をおすすめします。
③特定空き家へ指定されずに済む
空き家のまま放置し、空き家対策特別措置法の特定空き家に指定されてしまうと、以下のような精神的・社会的な負担が発生します。
・固定資産税・都市計画税の特例対象から外される
・行政指導の従って修繕・管理する義務が発生する
・行政指導に従わない場合は50万円以下の過料
・さらに管理が難しいと判断されると行政代執行により解体されてしまう
固定資産税などの減税が受けられないのであれば、空き家を残しておくメリットはありません。
空き家を解体するデメリットとは?
①固定資産税と都市計画税が上がる
住宅のある土地は、最大で固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になる特例措置が受けられます。 しかし空き家を解体して更地にしてしまうと、この税金の特例が受けられません。 とくに固定資産税の高い都市部では増税額も大きくなります。 さらに土地の売却前提で空き家を解体しても、その土地がすぐに売れるとは限りません。 売れるまで高い固定資産税を払い続けるリスクがあるのです。
②再建築ができない土地もある
再建築不可物件の場合、空き家を解体しても新しい家は建てられません。 再建築不可物件とは、建築基準法上における接道義務を満たしていない土地に建つ建築物のこと。 もし空き家がこの再建築不可物件に該当するならば、取れる手段は以下の3つです。
・増改築のないリフォームをして住む
・建物を残したまま売却する
・隣家の土地を購入するなど、再建築可能な状態にして売却する
再建築不可であっても、立地がよかったり建物の状態がよかったりすれば、格安で買い手がつくケースもあります。 建物の老朽化が進行する前に、早めに対応を検討しましょう。
まとめ
空き家は放置されることで、防犯面や衛生面などで地域社会に悪影響を与えることがあります。一方で、空き家を解体すること以外にも解決策はあります。もし空き家を有効に活用することができれば、地域の活性化や新たなビジネスチャンスにも繋がる可能性があります。まずは、所有している空き家を解体した方がいいのかどうか、検討を重ねることが大切です。以下のブログが参考になると思うので、解体するか迷っている方は是非ご覧ください。